・ 2022 年、高配当株は強かったですね
・ 有名な 米国の高配当株ファンド「 HDV 」は+3 %とプラス成績
・ 日本の高配当株指数は+15 %超と大健闘
「不況に強い」高配当株の力を見せつけました
高配当株には 様々なメリットがありますね。
① 安定したインカムが得られる
配当金は、株価のようには乱高下しません。
そして、月3万円の安定不労所得があると生活はかなりラク になります。
② リスクが低い
株価が大きく伸びることは少ないですが、
大きく下落することも少ないです。
③ インフレ ・ 不況といったバッドイベントに強い
銘柄を厳選すれば配当金はひたすら増え続けます 。
10 年で 2 倍 になることも。
月3万円の配当金が、放っておくと 10 年後に月 6 万円になってい るイメージです。
高配当株投資は 賛否両論ある投資手法ですが、 昔からずーっと人気があります。
それは、「 独特のメリット 」があるからです。
一流の株主含め、このメリットを活かしてお気楽な生活をしている投資家は結構います。
人によっては、十分にお勧めしうる投資法だということです。
今日は、高配当株投資の大前提を解説します。
それでは順番に見ていきましょう。
効果的な運用①高クオリティのものを選ぶ(配当利回りだけで選ばない)
最初から超重要です。
高配当株は、配当利回りの高さだけで選んだら絶対にダメです。
・配当利回り4%のA株
・配当利回り5%のB株
初心者ほど、配当利回り以外の情報はあまり気にしません。
配当利回り5%のB株に飛びつきます。
結果、どうなるか?
配当金がいっぱいもらえたのは買った直後だけ
その後、業績悪化で減配……
株価はさらに下落して、含み損に……
配当金は減るわ、株価は下がるわで、絶望を味わうハメになりがちです。
投資雑誌では、よく高配当株特集が組まれています・・・
「利回り〇%!人気の高配当株特集!目指せ配当金生活!」
みたいなやつです。
ああいうので紹介される「人気化した高配当株」は、危ないのが多いです。
ただ配当利回りが高いだけのものが多く含まれるからです。
失敗する高配当株投資は、配当利回りだけで銘柄選定をします。
成功する高配当株投資は、クオリティも見ます。
要するに
・収益性(ちゃんと儲かっているか?)
・安定性(不況でも手堅く利益が出せるか?)
・安全性(お金をたくさん持っていて、不況でも潰れないか?)
・成長性(5年後10年後、業績は伸びていきそうか?)
といったものを、トータルで見ていきます。
これらの要素をバランスよく満たしたものが、高クオリティな高配当株です。
高配当株投資は、安定して配当金を得るのが目的です。
配当金の原資は、企業の利益配当金。
つまり、
財務優良で
不況にも強い
そういう企業を選べば、配当金は安定しやすいというワケです。
配当金が安定的で、しかも成長していく(増配していく)
そういう企業は、結果的に株価も伸びやすいです。
下手な高配当株投資は
・配当金は減るし
・株価も下がる
上手な高配当株投資は
・配当金は増えるし
・株価も上がる
「下手」と「上手」を分けているのは、配当利回り以外の情報をいかに丁寧に見れたか?という点です。
効果的な運用②分散、分散、とにかく分散
クオリティの高い高配当株だけを丁寧に選んでいくのですが、この時に気を付けたいのが、分散です。
要するに
・色々な業界の会社
・色々なビジネスモデルの会社
をたくさん買うということです。
「100点満点のピカピカ高配当株」を3社だけ持つ!
そういう集中投資はしないということです。
集中投資は、“予想外“の出来事があった時のダメージがデカ過ぎます。
こういう状態を想像してください。
3銘柄に集中投資していて、月3万円の配当金を得ている(1銘柄で月1万円)
そのうち1銘柄が、不況で無配に転落した。
この時、配当金は月3万円→月2万円に33%も低下してしまいます。
無配転落となれば、株価の大暴落ありえます。
配当と株価、両面でダメージを受けることになります。
こういった悲劇を避けるには、投資する銘柄を増やすしかありません。
では、いったいどれぐらい分散して買えば良いのか?
最低でも目安は、30~50銘柄ぐらいです。
出来れば、70~80銘柄が到達地点です。
アメリカの有名高配当株ファンドも、このぐらい分散投資しています。
投資を始めたばかりの頃は5銘柄とか10銘柄とかでのスタートになるでしょう。
それは仕方ありません。
です。
大きなことを成し遂げるには、時間が必要です。
あくまで、到達地点としては30~80銘柄を意識して買っていく、ということです。
分散した結果の目安は
※セクターというのは、「業種」のことです。金融、自動車製造、建設、など。
こういう状態になれば、「想定外の減配」もそれほど怖くはありません。
時々、Twitterでこういう人を見かけます。
「私の高配当株ポートフォリオ見てください!月3万円の配当金があります!」
「三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、あおぞら銀行、…etc」
これは、良い分散とは言えないです。
色々なビジネスモデル、業種の銘柄を、丁寧に集めていくことが大事です。
効果的な運用③評価は「ポートフォリオ全体」で考える
高配当株投資のキモは先ほど、
① 各銘柄の「クオリティ」(配当利回りだけで見ない!)
② 分散(似たような銘柄に集中投資しない!)
この2つだということを伝えました。
これなら、高配当株ポートフォリオとしてはかなり安定します。
さて、この高配当株ポートフォリオ、評価の際に気をつけることがあります。
それは「全体で評価しましょう」ということです。
初心者さんが陥りがちな罠について解説します。
ちょっとリアルに想像してみてください。
皆さんが高配当株5銘柄に投資してから3ヶ月が経ちました。
各銘柄の損益は、次の通りです
高配当株A+4%
高配当株B+2%
高配当株C+1%
高配当株D+12%
高配当株E-8%
この時、もしかしたら、こう思うかもしれません。
+12%の成績を出している高配当株Dは、我が子のようにかわいい
-8%の成績を出している高配当株Eは、愛せない
でも、この判断方法はイケてません。
なぜかというと、高配当株投資が上手くいっているかどうかは次の2点で判断すべきだからです。
①ポートフォリオ全体で見て、安定して配当金を出し続けてくれているか?
②ポートフォリオ全体で見て、株価が伸びているか?
投資した全て全ての銘柄がプラスになれば、それは嬉しいです。
でも実際にはそんなことは起きません。
投資した銘柄が、すべてプラスであり続けるなんて、プロのファンドマネージャーでもありえないことです。
人気のS&P500だってだって、500社の中にはマイナス成績の銘柄もいっぱいあります。
・やたら自動車株が強い時期があれば
・やたら商社株が強い時期もあります
こういう時に、投資した銘柄全部がプラスになって欲しいと考えると、「同じ業界・同じビジネスモデルの銘柄ばかり」が増えることになってしまいます。
・プラスになるときは、全部プラスになるけど
・マイナスになるときは、全部マイナスになる
そういう動きになります。
ハイテク株ファンドなんて、その典型です。
伸びるときはグングン伸びますが、落ちる時も激しいです。
性格の違う会社を買えていると、トヨタ株はプラスだけど、ニトリ株はマイナス……みたいな感じで、株価がバラつきます。
株価がバラつくと、ポートフォリオ全体の値動きを抑えられます。
これは、安定運用という観点からはむしろ「好ましい」ことなんです。
もし、こういう時にマイナスになったものを次々損切りしてしまったら、
・株価が同じように動く株
・業績や配当金が、同じように動く株
だけが残ります。
要するに、分散効果が弱くなっていってしまうんです。
だから、評価はあくまでもポートフォリオ全体でしなければいけません。
繰り返しになりますが、高配当株投資は、安定して配当金を得るのが目的です。
好況時にも、不況時にも
円高の時も、円安の時も
金利が高い時も、金利が安い時も
どんな時でも、安定して配当金を貰えるようにしなくてはいけません。
株価はさておき、配当金さえ減らされなければ「安定したキャッシュフローが欲しい」という最も重要な目標は達成されているワケです。
そういうつもりで分散を徹底していったら、
・株価が上がる企業と
・株価が低迷する企業
ポートフォリオの中に、2つが入ってくるのは当然のこと
あまり個々の成績にこだわってもしょうがありません。
株価が低迷している銘柄も、景気サイクルが回るうちにいずれ回復するでしょう。
ポートフォリオの評価はあくまで全体で行い、個別に損切りすべきかどうかを考えるタイミングは、そう多くありません。
効果的な運用④長期で考える
高配当株投資が上手くいっているかどうかは、どれぐらいの目線で評価すべきか?
答えは、「長期」「超長期」です。
個人的には、最低でも5年、10年と見るべきだと思います。
(日々真剣勝負をしているトレーダーから見ると、のんきな時間軸です)
50銘柄に投資した結果、短期間で暴落に巻き込まれて、こうなったとしましょう。
・ポートフォリオ全体で見て株価が20%のマイナス
・ポートフォリオ全体で見て、減配はナシ
この時、皆さんはどう考えるでしょうか?
おそらく、最も多いのがこういう反応だと思います。
「20%もお金を失ってしまった。高配当株投資はダメ」
でも、です
高配当株投資の目的は、「安定したキャッシュフローを得ること」です。
株価が20%マイナスになったところで
減配していなければ、キャッシュフローは痛みません。
投資額に対して、3~5%の配当金をもらい続けられます。
増配がなくても10年で投資額の25~40%を回収できます(税引き後)
そして、ポートフォリオを上手に組めていれば、長期で見ると株価が戻る可能性は高いです。
(その確信が持てるよう、高クオリティの銘柄を厳選する必要がります)
株価というのは、短期間では大きく動きます。
でも、この値動きに惑わされてはいけません。
投資額の3~5%の配当金をもらい続けていれば、株価が一切伸びなくても
配当金+値上がり益のトータルリターンは、年3~5%になります。
これが、目標の最低ラインです。
実際には増配もあるし、(配当金が年5%ずつ成長すれば、10年後には1.6倍になります倍になります)
株価が伸びていく可能性もあります。
個人的には、長期で見てトータルリターン5~7%は十分狙えるラインという認識です。
高配当株ポートフォリオの評価は、あくまで長期です。
のんびり、じっくり育てていきましょう。
ポートフォリオ全体で見て配当金が伸び続ける限り、ビビることはありません。
効果的な運用⑤配当金は使う
高配当株投資を選ぶ理由はただ1つ
「配当金が欲しいから」です
配当金が要らないのなら、インデックス投資をする方がよっぽど合理的です。
インデックス投資は
ということで、非常に投資効率が良いです。
資産額は、高配当株投資よりも順調に伸びていくでしょう。
効率的なインデックス投資ではなく、あえて効率で劣る高配当株投資を選ぶならご褒美が欲しいところです。
それが「もらった配当金は使う」ということです。
資産形成をするにあたって非常に重要なのは、「今」と「未来」のバランスです
・今を楽しみすぎると、ツケが未来に回るし
・未来に向けた準備をしすぎると、今が楽しくなくなります
今を楽しみつつ、未来にも備える。
そのバランス感覚が重要です。
インデックス投資は、ややもするとエネルギーが「未来」に偏りがちになります。
もし仮に年間36万円の配当金を作れたら、こういう状態になります。
皆さんは、同じ会社に勤める、同じ給料の同僚よりも
① 月約3万円、家賃の高い良い家に住むことができる
② 月約3万円、おこづかいが多い
③ 月約3万円、家族と多く外食に行ける
④ 年間36万円分、家族旅行に多く行ける
これは、もはやある種の「特権」です
40歳の時点でこういう状態を作れれば、退職を迎えるる65歳まで25年間、上記の「特権」を享受できるわけです。
もちろん、老後だって他の「平均的な人」より豊かに過ごせます。
高配当株投資は、うまく運用できれば
長期的に見て、「元本」が毀損せず(むしろ成長する)
長期的に配当金も成長していく
という幸せな状況を作れます
それは「今」と「未来」のバランスを上手に取れるということです。
もちろん、配当金の一番の魅力は、その自由さです。
家計に余裕があれば、再投資するもよし
家計に余裕がなくなったら、使ってしまうもよし
この自由さが「フリーキャッシュフロー」の魅力です。
個人的には配当金を使って今を豊かにすることをオススメしますが、
どちらを選ぶかは皆さん次第です。
ちなみに、今から高配当株投資をやるなら、SBI証券・楽天証券が一番オススメ証券です。
数百円程度の予算で、ポチポチ優良株を買い集めていくことができます。
日本の高配当株投資に限らず、NISAや米国株投資をやるにも最適です。
※投資は自己責任で
コメント